ふるはしかずおの絵本ブログ3

『えを かく かく かく』- フランツ・マルクの絵にみちびかれて

絵を描くことについての、エリック・カールのメッセージがあります。

      ・・・

ぼくは えを かく。

えを かけば ぼくは えかきに なる。

      ・・・

ぼくは、どのような絵を描いたのでしょうか。

    

 あおい うま

 あかい わに

 きいろい うし

 ピンクの うさぎ

 みどりの ライオン

 オレンジいろの ぞう

 むらさきの きつね

 くろい しろくま

 みずたまもようの ろば

ぼくは えかきだ。

じぶんの ほんとうの えを かく かく かく

       ・・・

色彩の魔術師といわれるエリック・カールの魅力のある絵がならんでいます。画集のように絵を見る愉しみがあります。

 

赤いワニも、緑のライオン、水玉模様のろばも現実にはいません。でも、絵を描くということは現実の再現ではありません。言いかえれば、ワニ、牛、ライオンを描くのにまちがった色というものはありません。絵はのびのびと描くことがいちばんです。思う存分、自分が納得するように、自由に、絵を描きなさいと応援しています。フランツ・マルクの絵を見て感動したエリック・カールの子どもたちへのメッセージです。

   

フランツ・マルクの絵にみちびかれて-と見返しにあります。フランツ・ マルク( Franz Marc 1880-1916 )は、青い馬、黄色い牛など動物を大胆な色づかいで描いたドイツの画家でした。しかし、第一次世界大戦中、ヴェルダンで戦死しました。36歳でした。 

       ・・・

※『えを かく かく かく』 エリック・カール作、アーサー・ビナード訳、偕成社、2014年

フランツ・マルクの「青い馬」(1911年)、ミュンヘン市立美術館  (2022/3/20)

SHARE