ふるはしかずおの絵本ブログ3

『まりーちゃんとひつじ』-ぬくもりのある、ほのぼのとした絵本

image

1956年発行の 『 まりーちゃんと ひつじ 』。

まりーちゃんの 空想

ひつじの ぱたぽんの 現実

ふたつの 場面が、交互に 構成されています。

      ・・・

まりーちゃんは、

ひつじの ぱたぽんに 話しかけます。

ぱたぽん、 おまえは いつか

こどもを 一ぴき うむでしょう。

そしたら わたしたち、その 毛を うって、

すきなものが なんでも かえるわね、

ぱたぽん

      ・・・

まりーちゃんは、

二ひき だったら、あたらしい くつ

三びき だったら、あおい はなの ついた あかい ぼうし

四ひき だったら、めりーごーらうんどに のれる

五ひき だったら・・・

六ひき だったら・・・

七ひき だったら・・・

八ひき だったら・・・    

九ひき だったら・・・

十ぴき だったら・・・

まりーちゃんは、

あれが 買える、

これが 買えると、 

夢を ふくらませて いきます。

           ・・・

でも、

ぱたぽんの 答えは いつもおなじ。

     ・・・

ええ、 こどもが 一ぴき (二ひき、三びき…) できるでしょう。

そしたら わたしたち、

みどりの はらっぱに すむでしょう。

はらっぱには、 ひなぎくの はなが きれい きれい、

おひさまが いちんち きらきら。

わたしたち、 ふわふわの 毛を たくさん つくって

あげますよ、 まりーちゃん。

       ・・・

ひつじの ぱたぽんが 語ったのは、 ほんとうの しあわせ。

みどりの はらっぱ (自然)

ひなぎくの はな   (美)

おひさまが きらめいている 世界。

       ・・・

結局、

ぱたぽんが うんだのは、

たった 一ぴき でした。

まりーちゃんは、 なにも 買えませんでした。

でも、

まりーちゃんは うれしそう。

ぱたぽんは、 たった  一ぴきの こひつじを

とても かわいがっていた からです。

        ・・・

※ 『 まりーちゃんと ひつじ 』   フランソワーズ作・絵、  与田準一訳、 岩波書店 1956年発行

「 まりーちゃんの はる 」も 収録されています。 あひるの 「 までろん 」 を探す まりーちゃんの おはなしです。 まりーちゃんを 助ける ぴえーるくんも 登場します。

SHARE