ふるはしかずおの絵本ブログ3

『 おふろ だいすき 』-お風呂にかばやくじらを登場させる方法

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お風呂の中に

この表紙にあるように、

かばを、登場させるにはどのようにしたらよいのでしょうか。

くじらを、登場させるには?

そのような難問に答えたのが、この絵本です。

・・・

言葉は、抽象的なものです。

イメージをふらませるなかで、現実的には不可能なことも、可能になります。例えば「 おむすび ころりん 」のおじいさんは、ねずみ穴に入ってしまいきますが、読者はひとつも不思議を感じません。

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絵は、
形、色、大きさを 描きます。

林明子さんの絵本は、

かばや くじらを 小さなお風呂のなかに 登場させていますが、

その工夫はどこにあるのでしょう。

・・・

お風呂の湯気で、 まわりがぼやけてます。

また、 読者の視線を 誘導する工夫も あります。

小さなものから、 大きなものの 登場という現実感の つみかさねもそうです。

読者の役割も、たいせつです。

読者は、次の画面で何がでてくるか、期待しています。

読者のこころも、かばや くじらが お風呂に でてくる奇跡を うみだす前提です。

絵本は、読者の期待を 自然に みちびいています。

絵本の 傑作の ひとつです。

※ 『 おふろ だいすき 』松岡享子作、林明子絵、福音館書店 1982年  (2013/8/6/)

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