絵本で、
ハル ばあちゃんの
生涯を えがきました。
ハルは
うみべの
ちいさな むらに うまれました。
ほくろの ある 手。
器用な この子は、幸せになる
と みんな いいます。
・・・
予想通り、
ハルは 小学生に なると、
おりがみ、
おてだま、
あやとり、
・・・
手を つかうことなら、
誰にも まけない おんなのこに
なりました。
・・・
しかし、
15のころ、
戦争 で とうさん が 死にました。
かあさんも びょうきで なくなりました。
・・・
ばあちゃん、
いもうと、
おとうとを やしなう ハル。
必死に はたらく ハル。
そのような ハルの
ただ ひとつの たのしみは、
年に いちどの 盆おどり。
ハルの
うつくしい 顔や
てぶり が
みんなの 目を ひきます・・・・。
・・・
かなしみを おさえる 手
地引網を ひく 手
わら草履を あむ 手
盆おどりを おどる 手
結婚し、
ケーキを つくる 手
年老いた ハルの
盆おどりを まう 手・・・
・・・
最後に、
ハルは
なくなった 夫の遺影に かたります。
・・・
ユウキチさん、
わたしは あんたの おかげで
ずっと しあわせだったよ 。
激動の時代を いきぬいた
ハルと
夫婦の愛を
おだやかな 文体と、
モノクロの えんぴつ画で えがきました。
ハルの人生が、大河のように ながれています。
・・・
※『 ハル ばあちゃん の 手 』 山中 恒 作、 木下 晋 絵、 福音館書店 2005年 小学校高学年から 大人まで。