この 表紙。
迫力があるなぁ。このねこがタンゲくん。
「 姓は 丹下、 名は 左膳 」 (古い かな)のタンゲくんです。
・・・
ある日、
いっぴきのねこが、のっそりはいってきて、
わたしのひざにのりました。
そして、
ふとんのうえでゴロゴロ。
かれは、タンゲくんと名づけられ、うちのねこになりました。
・・・
タンゲくんは、虫とりのめいじんです。
でも、
そうじきが こわい。
満月の夜には、くるったように走りまわります。
へんなねこ。
でも、
わたしは だいすき。
外へ いったタンゲくんは、どこへ行くの でしょう ?
よその、おんなのこの家 ?
遠い山のなか ?
ねこのけんかのこえが聞こえると
わたしは思います。
つよいの かな ?
まけちゃうの かな ?
(「わたし」の想像が 笑えます )
・・・
でも、
晩になると帰ってきて、ごはんを食べるタンゲくん。
そして、
タンゲくんは
わたしのうえに飛びのってまるくなるのです。
タンゲくんの魅力が全開です !
文は、わたしの視点(主観的視点)から見られた タンゲくん。
絵は、読者の目(客観的視点)から見られた タンゲくん。
読者は、「わたし」の知らないダンゲくんまで知っています。
絵と文の相乗効果です。それが、絵本の体験をおもしろくしています。
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※ 『 タンゲくん 』片山 健 作・絵 福音館書店 1992年 (2015/12/10)