「あいうお」の五十音の最後についている「ん」。
おまけかな。
いえいえ。
声に出してみると、魅力いっぱいの「ん」。
声に出して読んでみましょう。
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長田弘さんは、「ん」という言葉のさまざまな表情を書いています。
ぴん、と きた。
ぷんぷん、おこった。
なつ。みーん、みーん。
ふゆ。しーん、しーん。……
ここまで書いてみましたが、やはり要約して紹介するのが、難かしい絵本です。絵本をご覧いただければ思います。
絵本の中に次のような文があります。
ごはんも ごは。んが なきゃ。
ごめんも ごめ。んが なきゃ。
遊びが過ぎるかもしれませんが、この言葉遊びをもう少し続けてみます。。
じかんも じか。
てんびんは てび。
すっぽんも すっぽ。
マンションも マショ。
しんかんせんも しかせ。
せんすいかんは せすいか。
松本清張の「点と線」は てとせ。
やっぱり、「ん」がないと困る。 ゚(゚´Д`゚)゚ 言葉遊びをして見るのも面白いと思ってやってみましたが、絵本にはありません。ごめんなさい。
作者・長田弘(1939-2015)さんのメッセージがありました。絵本の魅力を簡潔に伝えています。
「「ん」はとてもふしぎな言葉。辞書をひいても、きれいさっぱり何の意味もありません。ところが、ところが、口にだしてみると、たった1つで、これほどさまざまにゆたかな意味合いをもつ言葉はありません。
れっきとした日本語なのに、いろはに47字にも、あいうえ50音にもなく、はみだし、おまけ、みたいにされてきたのに、どうして、どうして、たった1つで、これほどさまざまにゆたかな表情をあらわす言葉はありません。」
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また、絵は、表情ゆたかに顔を描いています。目と口だけですが、いろいろな表情の顔があります。アニメーション作家でイラストレーターの山村浩二さんの作品です。
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※『 ん 』 長田 弘 作、山村 浩二 絵 講談社 2013年 (2020/4/4)