ふるはしかずおの絵本ブログ3

『 むこうがわの あのこ 』- 差別のない 未来への 希望

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原題は   The  Other  Side  ( 2001年 )。

冒頭を 引用します。

     ・・・

  そのなつ、まちをしきるさく が、 いつもより おおきくみえた。

  わたしたちは、 さく の こっちがわに すんでいた。

  さくの むこうがわには、 しろい ひとたちが すんでいた。

  「 むこうがわに いってはだめよ。 きけんです からね 」

  ママは、 そういっていた。

     ・・・

もうおわかりでしょう。

アメリカの 人種差別を テーマにした 絵本です。

「 さく 」とは、

白人と黒人を へだてる 象徴的な存在です。

     ・・・

黒人の 女の子、 クローバー。

白人の 女の子、 アニー。

さくを 越えてはいけない と 言われている

ふたり 。

このふたりが 主人公ですが、

視点は、 クローバーにあります。

アニーが

話しかけてきました。

「 うちは あそこ。 せんたくものが みえるでしょ。 あのブラウスは

  わたしのよ 」

そう言って アニーはにっこり。

     ・・・

さくを 越えては いけないって 言うけど、

「 さくに こしかけちゃ いけないとは、 いってないよ 」

と アニー。

 それも そうだね 」と クローバー。

ふたりは、

さくに こしかけ

なかよしに。

      ・・・

ふたりを 見ていた

クローバーの ママは、 言います。

「 あたらしい ともだちが できたのね 」。

ふたりは、

その後、

クローバーの ともだちとも 遊ぶようになりました。

みんなが、

さくの まわりに 集まるところが

最後の場面です。

      ・・・

「 こんな ふるい さく 、 そのうち だれかが きて とりこわすよね 」

 アニーが言った。

 わたしも うなずいて、言った。

「 そのうち きっとね 」

      ・・・

人種差別という おもいテーマです。

しかし、

描かれているのは、

子どもたちの 日常の風景。

クローバーと アニーの関係は、

「 おんなのこ 」、 「 あのこ 」から 、

アニー、  わたしとアニー、  あたらしい  ともだち、

わたしたち 、    みんなへと かわっていきます。

彼女たちの 日常を通して、

差別のない社会

あかるい未来が、

展望されています。

また、

ルイスの絵の

あかるい 太陽の ひかり 、

空気感、

人物をみる やさしい視線が 印象的です。

     ・・・

※ 『 むこうがわの あのこ 』     ジャクリーン・ウッドソン文、 E.B.ルイス絵、

さくまゆみこ訳   光村教育図書    2010年

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