12の不思議な生き物がでてきます。
そこに「俳句」らしき文が添えられた絵本です。
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俳句らしき文 は、意味がないように見えます。しかし、意味がまったくないわけではありません。五七五の形式 。意味がわかる言葉 も隠れています。しりとり のように繋がっています。
おいはねほ
ねはねへはねほ
ふんわりと
りとのっそ
かなたあなたへ
はるけんぱ
奇妙な動物に対応した、俳句らしきもの。
俳句のような文に対応した、おかしな動物たち。
競いあい、渡り合う
詩人 と
画家。
ふたりの個性の ぶつかりあい です。
いたぶべぼ
どここそここね
おもいだす
だすりんね
そらどらしそれ
ちりんりん
文字の大きさ、配置などを変えるタイポグラフィも駆使されています(上の絵)。それによって、読む人のさまざまな読み方を誘いたいと作者たちは願っているようです。詩人と画家、そして編集者の3人の共作ともいえる絵本です。
「自分の思いを貫き、やりたいことをした結果、まわりと違ってもいいと思うんです。その違和感が、いずれは、その人のかたちとして受け入れられます」(皆川明)。思いを貫き生きることが、その人の形として多くの人に受けいれられる時代が来ることを願います。
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※『 はいくな いきもの 』 皆川 明絵、谷川 俊太郎文、 クレヨンハウス 2015年 (2019/9/29)