3人の おぼうさん。
ホク
ロク
ソー。
( 表紙の 人物です )
旅の とちゅうの 村で
石の スープ ? をつくる おはなしです。
・・・
3人が 村に ついてみると、
どの家からも へんじが ありません。
洪水や
戦争で
村人たちは、だれも 信用せず、
みんな、たがいに しらんかお。
この村の人たちは、 しあわせを しらぬ。
そこで、
3人の おぼうさんは、
石のスープを つくることに しました。
( 石の スープ って ? )
・・・
おおきな なべに、
すべすべの 石を 3つ。
火を おこし、
湯を わかすと・・・
しおとこしょうで あじをつけるのが、
石の すーぷの やりかた。
でも、わしらは それを もたないのだと
ロク。
しおと こしょうなら、 あるぞ !
にんじんなら、 すこし あったかも
・・・
たまねぎ
きのこ
うどん
さやえんどう
にくだんご
きくらげ
おまめ
いも
とうもろこし ・・・
だれかが、 心を ひらいて、
人の ために なることを すると、
べつの人が、
もっと いいことを します。
・・・
でき あがった スープは
なんて いいにおい !
なんて おいしそう !
さいご は、村人みんなで 大宴会です。
つぎ のあさ、
僧との わかれのとき、村人たちは、気づくのです。
わかちあうことが、こころを ゆたかにする、と。
3人の 僧は、スープを つくり、わかちあう よろこびを 村人たちに 思いださせました。あたえ、シェアする 思想が、未来を 暗示しています。
しあわせ とは、かんたんな こと ! ?
( なのでしょうか ? )
※『 しあわせ の 石 の スープ 』 ジョン ・ J ・ ミュース作・絵 三木卓 訳 フレーベル館 2005年
【 追記 】
この絵本は、現在 絶版のようです。 再版を 望みたい絵本の ひとつです。 公共の 図書館には あるかもしれません。また、 おはなしの 原型は、ヨーロッパの民話にあるようです。 マーシャ・ブラウンの 『 せかいいち おいしいスープ 』 ( こみや ゆう 訳、 岩波書店 )も、同様なおはなしです。 ここでは 3人の兵隊が 主人公です。 機知にとんだおはなしで、 滑稽な感じもあります。「 もう たべものに こまることは ない。 だって、 石から スープを つくることを おぼえたんだから 」。 たしかに、さいしょは 石だけでした。
ミュース の絵本の場合、 村人たちの閉じた心が ひらかれる おはなしになっています。 また、しあわせとは かんたんなこと!? という問いが、投げかけられています。