読書のすすめの絵本です。
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パソコンが得意な ロバくん。
本が大好きな サルくん。
ふたりのちぐはぐな会話 が はじまります。
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本を読んでいるサルくんに、
ロバくんが言います。
「どうやってスクロールするの?」
サルくんが答えます。
「しない。
ぺーじをめくる。これは本だから。」
ブログはしてる?
しない。これは本だから。
マウスはどこ?
メールできる?
ツイッターは?
できない。これは本だから。
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こんどは、サルくんが言います。
「見てみる?」
ロバくんが答えます。
「字がおおいよ。」
パスワードはいる?
ハンドルネームは?
いらない。これは本だから。
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でも、本に夢中になるロバくんがいます。
( 起承転結の「転」です )
サルくんが言います。
「ぼくの本かえしてくれないかな?」
ロバくんが答えます。
「だめ。」
「それなら……
図書館にいってくる」
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図書館に行くサルくんに向かって、ロバくんが言います。
「だいじょうぶ。 あとで充電しておくから!」
どこまでいっても、かみあわないロバくんとサルくんの会話です。現代人のディスコミュニケーションの状況が描かれています。現代版の不条理劇( いや、漫才? )ともいえそうです。
でも、読書のおもしろさに気づいたロバくん。サルくんが「ぼくの本かえしてくれないかな?」と言うほど本に夢中になりました。ふたりの交差点がうまれました。しかし、最後のロバくんの言葉が笑わせます。「あとで充電しておくから!」
「 心が今日知ったことを 頭が明日理解する」(ジェームズ・スティーブンス) 読書の意義を語った名言です。
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※『 これは 本 』 レイン・スミス作、青山 南訳、BL出版 2011年 (2019/7/23)