「 まわりもちの 運命 」(新潟県)という昔話から採られた おはなし。
『 かえるを のんだ ととさん 』。
日本の笑い話をどうぞ。
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ある日、
ととさんは、 腹が痛くなりました。
お寺の和尚様は、言います。
そらにゃ はらのなかに
むしがおるせいゃ。
かえるを のむと いいぞ。
そこで、
ととさんは、蛙を ぺろっと呑みこみました。
腹が痛いのは、治りましたが、腹の中で、蛙が歩きます。気持ちが悪くてたまりません。
へびを のむと いいぞ。
と 和尚様。
蛇を ぐーいと吞みこむ ととさん。
でも、こんどは 気味が悪くなりました。
きじを のむと いいぞ。
と 和尚様。
雉を こかっと吞みこむ ととさん。
でも、うるさくて 我慢なりません。
つぎは、
きじを撃つ りょうし。
さいごは、
猟師を食べる おに。
でも、鬼のつのが、腹にぐりぐり刺さり、痛くてたまりません。
・・・
和尚様は 言います。
ととさん、口を 開けてみなされ。
和尚様は、
おにはー そとー
豆を ととさんの 口の中に 投げ入れました。
いたい、いたい たすけてくれえ。
おには さけんで、ととさんの しりのあなから とびだしたとさ。
荒唐無稽で、無茶苦茶な笑い話。日本人の笑い話です。
笑いころげて、スッキリ。
鬼は~ そと~、 福は~ うち~。
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※『 かえるを のんだ ととさん 』 日野 十成 作、 斉藤 隆夫 絵 福音館書店 2008年 (2017/2/1)