![](https://ehon.furuhashi-kazuo.com/wordpress/wp-content/uploads/2019/06/1212-2.jpg)
秋。
おじいさん(萩尾乙四郎)が、
おはぎをひとつ落としてしまいました。
「まてまて、おはぎ。わしの おはぎちゃんやーい」
おはぎは見つかりません。
でも、
庭の中で、
おはぎちゃんは、どうぶつたちに育てられ成長していきます。
・・・
この作品の魅力のひとつは、人物の設定にあります。
主人公のおはぎちゃん
萩尾乙四郎(おはぎを落としろう!)と萩尾サク
育ての親のカナヘビの夫婦は カナコとカナヘイ
ガマガエルのおばさん、おフジさん
トンボ
コオロギ
マツムシ
スズムシ
クモの イトコさん
ミノムシ
テントウムシ
ミツバチ
ダンゴムシの マルミ クルミ タマミ
シミミズ
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ジミチョウ
キチョウ
アゲハチョウのの ミヤビチョウコさん
カエル
トカゲのふたご
ぼたもちの夫婦のつぶこさんとこしろうさん、子どものぼたもちくん
みんな、名前をもっています。「カナコ」「カナヘイ 」「 おフジさん 」「 ミヤビチョウコさん 」など代表的な人物を紹介しましたので、絵本でみんなの名前を見つけてください。
・・・
虫たちだけでなく、植物もしっかりと描かれています。
季節は、秋から冬に向かいます。
冬眠するどうぶつたちにかわり、
おはぎちゃんは、今度は、床下のぼたもちの夫婦に育てられることになりました。
・・・
春
フキノトウが顔を出す頃、
おはぎちゃんは、ひとつ言葉をおぼえました。
「オハヨ」
そして、
おはぎちゃんは、かえるやヘビたちを起こします。
また、ちいさな にわの いちねんが はじまります。
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おまけ。
最後の場面で、
三色だんごの赤いだんごが、縁側から転げおています。
こんどは、だんごのおはなしが始まりそうです。
・・・
おはぎちゃんを大切に育てる人物たちがたくさん登場します。おはぎちゃんが周りの人物に見守られて成長したように、子どもは周囲の温かな眼差しと援助に支えられて育っていくのでしょう。たくさんの人物が登場することの中に、子育てについての作者の願いを感じます。
絵は、細部までしっかりと描かれています。季節感も感じます。そして、絵の中にいろいろな発見があります。
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『 おはぎちゃん 』 やぎ たみこ作 偕成社 2009年 (2020/9/24)