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「ヘイスタック」とは干し草の山。
北アメリカの大草原地帯(プレーリー)で、かつて当たり前に見られたものでした。どのように作くられ、どのように利用されてきたのでしょうか。ヘイスタックをよく知る語り手が語ります
わしらの暮らしておった 大草原にはな、あっちこっちに、
でっかい「ヘイスタック」があったもんだ。
春。
まきばの草が育ちはじめます。
夏。
草刈り鎌をつけたトラクターで、
育ちきった牧草を刈りとります。
リフトを使ってかき集め、
まきばの真ん中に運んだら、
柵でかこんで、
ヘイスタック に。
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どんどん、
みるみる、
大きくなる ヘイスタック。
高さは4メートル、横幅は50メートルくらいありそうです。
ヘイスタックは牛の餌になります。
家族みんなで 手伝ったもんだ。
ピッチフォークを かかえてな、
草を広げて、たいらにする。
冬の終わり。
雌牛の腹がおおきくなった。
別の場所に移され、
今度は、豚の親子がやってきます。
子牛がうまれたら、牛も豚もみんなで干し草をわけあいます。
ヘイスタックは、
涼しい影をつくり、
冬のつめたい風をふせぎ、
遊び場にもなります。
また、
春へ。
ヘイスタックはどんどん小さくなり、いまでは食べ残しやフンばかり。でも、それは牧場じゅうに撒かれ、草の養分になります
そうしてまた、新しい春がきて、
すべてが ゆっくりと めぐり はじめるんだ。
もう一度、はじめから。
大草原の牧場の一年はこうして過ぎていきます。自然と調和した世界です。このような時代、このような暮らしがあったんですね。 地味な絵本ですが、ノスタルジーだけではない深い内容があります。
アーサー・ガイサートの作品には『あかりをけして』『銅版画家の仕事場』『洪水のあとで―ノアたちのその後』などがあります。
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※『 ヘイスタック 』ボニー・ガイサート文、アーサー・ガイサート絵、久美沙織訳 BL出版 1998年 (2019/11/16)