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節分の日。
みんなの幸せを祈り、
「オニは そと。ふくは うち」。
ここまでは、例年通りです。
でも、ことしの豆は、よく考える豆たちでした。
( 豆も考えるんだ。)
・・・
一番目の豆は、考えました。
オニのお面をつけている人は、いつもは普通のおじさんだ。
「ほんものの わるい オニが いる。どうせなら、ぼくは そっちを たいじ しよう」
(えらい!)
・・・
まめは、自転車を盗もうとする犯人をみつけました。
ほんものの悪いオニです。
(この言い方、なんとなく可笑しい)
まめは、
コツッ!
体当たり。
犯人は泣きながら逃げていきます。
あっぱれ、一ばんめの オニたいじです。
![](https://ehon.furuhashi-kazuo.com/wordpress/wp-content/uploads/2019/11/おに1-1024x591.jpg)
二番目の豆たちも、考えました。
ほんもののオニと勝負しよう。
豆たちは、
スポッ! スポッ!
銀行強盗の鼻に体当たり。
命中です。
「いたい! はなが くるしい」
犯人たちは逃げて行きます。
あっぱれ、二ばんめの オニたいじです。
・・・
三番目の豆たちも、考えました。
アフリカの平原でサイを密猟しようとする三人に体当たり。
あっぱれ、三ばんめの オニたいじ。
豆たちは、
つぎつぎに飛び出します。
豆たちは、地球を侵略しようとする宇宙人に 体当たり。
「はんざい! ちきゅうを まもったぞ」
あっぱれ、四ばんめの オニたいじ。
あっぱれ、
あっぱれ。
(ナンセンスっぽい感じになったきた。)
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節分の豆が、お面をつけた「オニ」ではなく、世の中の「オニ(鬼)」を退治しようとしています。豆も考えるんです。そして、宇宙にまで飛びだしていきました。勧善懲悪のおはなしですが、最後はぐーんとスケールが大きくなりました。ユーモアがあり、スカットとする絵本です。
豆には顔がありましたが、その表情が笑えます。子どもは、豆の人物像に親しみを感じることでしょう。でも、おとうさんが扮する「オニ」はすこし怖いかもしれません。今年の節分は2月 3日(月)ですので、この日の前後が読み頃ですが、季節にこだわることもないように思います。
また、このような絵本を読みますと、子どもの頃に感じていた季節感がよみがえります。
・・・
※『 オニたいじ 』 森絵都作、竹内通雅絵、金の星社 2012年 (2020/1/31)