ただしい。
わかりやすい。
おもしろい。
かがくの絵本の典型です。
タイトルの『わたしのひかり』のわたしとは、太陽のことです。
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絵本は、町のあかりは、わたし( 太陽 )だと言ってはじまります。
町のあかりが、きらきらひかっています。
まるで、夜空の星がおちてきたみたいに。
あの町あかりも、もともとは、わたしのひかりなのですよ。
太陽のエネルギー(わたしのひかり)は、たえずすがたをかえていきます。
水力発電、
風力発電、
光合成、
石炭(化石エネルギー)、
火力発電( 下の絵 )
ソーラーパネル。
水力、火力、ソーラー、風力発電の仕組みも分かります。また、火力・水力、風力発電は、太陽の恵みをうけています。おおもとに太陽エネルギーがあります。風力発電のところを読んでみましょう。ここにも、太陽エネルギーが関係しています。
わたしは、まいにち、ちきゅうをてらし、
空気をあたためます。
あためられた空気は上にのぼり、
つめたい風が下にさがって、風になります。
ぶるんぶるん!
風が、風車の羽をぐるぐるまわすと、
わたしのエネルギーが発電機におくられて、
電気がうまれます。
地球の自然の動き、活動の根源に太陽のエネルギーがあることがはっきりわかります。そして、太陽のエネルギーは絶えずすがたをかえています。また、一見すると関係のないように見える風力発電も太陽が関係していました。主題が明確で、わかりやすく興味を引く内容の絵本です
また、太陽(わたし)が語り手の一人称視点でしたので、読者は自分に呼びかけられているように感じます。むずかしくなりそうな内容をやさくしく表現する工夫です。
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さらに学びたい人向けに詳しい解説も巻末にあります。解説文の中のむずかしい漢字には振りがながついています。原子力発電については問題点を含めこの解説に書かれています。エネルギーについて学ぶのにとてもよい絵本です。小学校中高学年向きのかがくの絵本です。
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※『わたしのひかり』 モリー・バング作・絵、さくま ゆみこ訳、評論社 2011年 (2018/8/19)