ふるはしかずおの絵本ブログ3

『 よるの びょういん 』- 読んでいて ドキドキの 写真絵本

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夜の病院で はたらく 人々たち。
ドキュメンタリータッチの 写真絵本です。
・・・
夜、
おなかが痛くなり、高い熱のでた ゆたか。
救急車で 病院に はこばれます。
ぼうっと しているのに、ゆたかは
救急車に のることを、「かっこいい」と いっています。
・・・
病院に 着くと、
ゆたかは、緊急の手術、
盲腸炎の 手術です。
不安な おかあさん。
夜勤で 仕事をしていた おとうさんに 連絡します。
とにかく すぐきて!
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昼間のように あかるい 手術台。
せんせいの ゆびさきが せいかくに すばやくうごく。
ほうら、とれたぞ、あとは ぬうだけだ
・・・。

おとうさんも 病院に かけつけました。
手術は、無事に おわりました。
おかあさんは、目に 涙をためています。
夜の病院は、静かです。でも、多くの人が はたいています。
・・・
つぎの朝、
目をあけた ゆたかは、
「 ねえ、まんが かってきて 」。
「 まだ だめ 」
おかあさんが こたえます。

白黒の写真のリアリティ出来事の緊迫感展開のスピード感から、読んでいて ドキドキします。怖くて、読みたくないという子どもも いるようです。病院の様子など時代( 1985年 出版 )を感じますが、親の不安な感情、手術が無事におわった安堵感、てきぱきとはたらく医師と看護師、病院をささえる人々の姿は、今も変わらないことでしょう。
私たちが 寝ている夜に、病院では、さまざまなドラマが 起こっています。
・・・
※『 よるの びょういん 』 谷川 俊太郎作、 長野 重一写真、福音館書店、 1985年  (2017/9/3)

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