科学の絵本です。
大きなもの、広いスペース、長い時間をわかりやすいサイズに縮めてみました。「もしも、太陽系の惑星をボールの大きさにちぢめたら・・・」
まわりの世界がこれまでとはちがって見えるはず。
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目に見えるサイズ、手でさわれるサイズにするのは、16のものごとです。
太陽系の惑星、地球の歴史、
生命の歴史、
過去3000年の歴史、
発明の歴史、
過去1000年の発明の歴史、
大陸、
水、
生物の種、
お金、
エネルギー、寿命、人口、食べ物、あなたの人生、銀河系
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いくつかの例を見てみましょう。
もしも45億年の地球の歴史を1年間にちぢめたら・・・
1月1日、地球誕生
2月中旬 月があらわれる
3月 海に最初の生命が誕生
6月中旬 海に藻類が誕生
大晦日近くになって、人類登場
そして、地球の歴史を2時間の映画にしてみると、
人類の登場は最後の1秒になってから。 ( (゚д゚)! )
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もしも地球の水がコップ100杯だとしたら・・・
97杯は塩水
のこりの3杯が真水です。
そのうち飲めるのは、1杯分。
あとの2杯は、氷河や地中に閉じこめられた水です。
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お金は?
世界中のお金を100枚のコインであらわすと・・・
世界人口の1%のお金持ちが 40枚。
世界人口の9%で 45枚
世界人口の40%で 14枚
世界人口の半分の人で、たった1枚のコインをわけあっています。
富の偏在を視覚化しました。
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スケールを変えることによって、目にみえるようにして、わかりやすくものごとを説明します。長い時間を短く、大きなものを小さく、また別の何かに例えてみています。また反対に、時間や空間を測る尺度を長く(例えば1万年単位、光年)とれば、わかりやすくなるものごともあります。書かれている事実そのものがおもしろい絵本ですが、ものの見方・考え方、認識の方法を学ぶことができます。
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※『もしも地球がひとつのリンゴだったら』 デビッド・J.スミス文、スティーブ・アダムス絵、 千葉 茂樹訳、小峰書店 2016年
【 追 記 】
ものの見方・考え方、認識の方法を学ぶという点から、次の絵本もおすすめです。
・『あるくやま うごくやま 』 かこ・さとし文、宮下森 絵、童心社
・『よわいかみ つよいかたち』 かこ・さとし作、童心社
『あるくやま うごくやま 』は、何十万年、何百万年の時間のなかでは、山も「うごく」(変わる)ことを伝えます。私たちの常識を逆転するおもしろさがあります。『よわいかみ つよいかたち』は、弱いと思われている紙も、形や置き方を工夫することで、強度が違ってくることをわかりやすく具体的に説明しています。「まったく同じ物質材料が、その置かれた状態、周囲との関係によって、異なった性質、機能に転化する」(かこ・さとし)のです。
(2019/2/19)