
ナンセンス絵本です。
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男の子が風船ガムをかんでいます。
クチャクチャ
プー
クチャクチャ
プー
ブーとふくれたガムは、ねこの顔になりました。
(おやおや)
男の子も プー
ねこも プー
こんどは、息を吸います。
スー
スーと吸われて、男の子の顔はゆがんでいます。
(ページをめくると)
パクッ
クチャクチャ
でも、ガムをクチャクチャしているのは、なんとねこです。
男の子は、ねこに吸われてしまいました。
プー
ねこの口から、男の子が出てきました。
プープー
プープー
おとこのことねこは、ガムを膨らませようと、力いっぱい吹きます。
プーブー
プーブー
パァーン
風船ガムは破裂して、男の子の顔にぺッたりとついています。

笑えました。ナンセンス絵本の傑作です。「傑作」とは笑えるという意味の「お笑い事」でもあります。男の子がねこに吸われていく場面がシュールです。この場面を怖がる子どももいるかも知れません。
ガムを膨らませようとする男の子とねこの必死の表情が、傍から見ているだけに、読者にはとても可笑しいところです。文(オノマトペ)と絵の相乗効果が発揮された絵本です。紙芝居にしても面白いと思いました。紙芝居を「抜く」ことが、はなしの展開を一層劇的にすることでしょう。
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※『 ねこガム 』 きむら よしお 作・絵、福音館書店、2009年 (2021/11/12)