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いもうと思いの優しいおねえさんです。いもうとの自立したい気持ちもわかります。
わたし(妹)から見た、おねえさんの姿です。
・・・
いもうとが、
歩道から飛び出ないように 気をつける ねえさん。
自転車に 乗るときも、
学校に いくときも
野原で あそぶときも
おさいほうを しているときも、
なんでもしてくれる ねえさん。
わたしを たいせつにしてくれる ねえさん。
なんでも 知っている ねえさん。
でも、
ある日、いもうとは ひとりに なりたくなったのです。
「さあ」「ほら」「こうしなさい」「だめよ」
といろいろと言われるのに、飽きたのです。
いもうとは、こっそり 忍び足で・・・
家を出て、
はらっぱへ はいってゆきました。
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ねえさんの呼ぶ声が 聞こえます。
いもうとは じっと していました。
ねえさんは、
だんだん、
こっちへ こっちへ。
ねえさんは、野菊の中に すわり
しくしく 泣きだしました。
いま、ねえさんを 慰めるひとはいません。
ねえさんは ひとりぽっちで 泣いています。
いもうとは、ハンカチを 取り出して、
「さ、かおをふいて」
ふたりは 抱きあいました。
それから、ふたりは たすけあってゆくようになりました。
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急にいなくなってしまった妹を探す姉さんの不安な気持ち、つらい気持ちがわかります。 また、姉さんから、自立したい妹の心もわかります。この出来事のあと、ふたりはあたらしい姉妹の関係となることでしょう。階段をひとつあがるように、ふたりとも成長したのです。
繊細で思いやりあふれる、ふたりの行動を、語り手はやさしく見守っています。子どものこころを見つめたゾロトウらしい絵本です。
マーサ・アレキサンダー が描いた姉妹もうつくしいと思います。
・・・
※『ねえさんといもうと』シャーロット・ゾロトウ作、マーサ・アレキサンダー絵、矢川澄子訳、福音館書店 1974年 (2022/9/23)