カリーナは、こんな図書館がないかしら、と想像しました。
・・・
カリーナは、
ある日の 図書館で
こころのなかで こんなことを つぶやきました
「わたしが としょかんの ひとだったら、
どうぶつだけが としょかんに はいれる
とくべつな ひをつくるのに……」
カウンターのうしろで じっと 待つの。
さいしょに くるのは だれかしら。
あっ、カナリアさん。
まあ、ライオンさん。
くまさん、おはいりなさい。
ぞうさん、いりぐちが せまいわね。
くじゃくさん おまち していました。
かめさん いつのまに きていたの。
わあ、おどろいた!
きりんさん。
あらあら、やまあらしさん。
おさるさんたち かぞくおそろいで にぎやかねえ。
うまさん、
うしさんも どうぞ。
ほらほら すてき。みんなむちゅうで ほんを よんでいる。
あ、ねずみだ!
ライオンが がおーっ!
くまが ぐるぐる!
うしが もおーっ!
くじゃくが ぎゃおぎゃお!
みんな おおあわて
そのとき、カナリアが 歌いだす。
「そろそろ おうちに かえりましょう」って 歌ってる。
さようなら みなさん
としょかんは たのしかったでしょう。
われにかえり、
カリーナは、借りる本を えらびました。
『カナリアの おはなし』です。
図書館の人が 言いました。
「あら、カリーナちゃん いい本を 見つけたわね」
「どうして このほんに したかっていうと・・・
さっき、カナリアと とっても なかよしに なったからなの」
カリーナは 元気よく 図書館から 出ていきました。
・・・
カリーナは、空想のなかの図書館で、「きょうは どうぶつのための ひです。ようこそ としょかんへ!」という横幕を張っています。動物たちが来ると、カリーナは司書になり大奮闘です。ライオンには、「ほえては いけませんよ」。くまには、「くまのほんが いっぱい あるから、たくさん 読んでね」。きりんには、「高いところにも おもしろい本が あるから さがしてみて」・・・ 微笑ましいカリーナの行動です。空想の世界で遊べるカリーナは、本が大好きな女の子です。
『くまのコールテンくん』のドン・フリーマン(1908-1978)の絵本。起承転結のはっきりとしたストーリーです。
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※『しずかに! ここはどうぶつのとしょかんです』 ドン・フリーマン作、なかがわちひろ訳、BL出版 2008年 (2024/2/11)