ふるはしかずおの絵本ブログ3

『おおきなおおきな木みたいに』- 見えないこころが木の仕掛けで見えます

穴あきの仕掛け絵本です。

    

「あっちいけ」とか「きらいだー」とか言ったら、

どうなる?

ふたりの間に みえない ギザギザが できちゃう。

  

   

  左側に ギザギザの穴(穴の仕掛け)が、あります。

  仲が悪くなると、 どんどん亀裂が 大きくなります

 

 

  右側には、木の形をした穴が あります。

  木の幹のように 切り取られています。

   

   

「いっしょにあそぼう」とか「こっちへおいでよ」とか 言ったら、

どうなる?

 友達への思いやりを しめすと、

 右側の 穴あきの木の幹は どんどん 成長していきます

 (こうした仕掛けです)

    

 木は、葉をつけ

 小鳥が とまり

 花を 咲かせ

 果実が なります。

 

   

 左側の亀裂は 

 仲違い続けて、どんどん 大きくなります。

   

    

 読み進めると、

 右側の子どもたちが、

 つんつんしている左側の 子どもたちに 

 「こっちに きて」と呼びかけています。

    

 

左側の子どもたちは 右側にやってくると・・・

明るい画面のなかで、右も 左もなく 

みんなが ひとつに なります。

    

 いつのまにか 

 ぶんぶんも つんつんも わすれちゃって・・・

 みんなで おおきな わを つくることができる

   

おおきく育った 木。 

そのまわりで みんなは 手をつないでいます。

 

     ・・・

友達と仲が悪くなると小さな亀裂はおおきくなり、一方で、友達への思いやりをもつと、木はどんどん大きく育っていきます。仲違いとやさしいこころの違いを、子どもたちの心によりそい、わかりやすく視覚的に表現しています。穴あきの仕掛けは、テーマとしっかり結びついています。

絵本の中の言葉です。

 

  こころの なかで 

  もっと もっと おおきく 

  やさしい きもちが 

  そだちますように


     ・・・

※『おおきなおおきな木みたいに』 ブリッタ・ティケントランプ作・絵、木坂涼訳 ひさかたチャイルド 2019年  (2024/5/14)

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