ノンフィクション作家の 沢木耕太郎さんと
和田誠さんの 絵本だと 聞いて選びました。
くりかえしの表現が、
ふかい意味を 紡ぎだしていきます。
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みずいろ、 ちゃいろ、 きいろ、 ももいろ・・・
いろいろな 色。
三角形、 四角形、 五角形・・・
いろいろな 形。
いろいろな 色と 形が あります。
おかあさんが 言います。
「 みずいろは どーれ? 」
「 ちゃいろは どーれ? 」
「 きいろは どーれ? 」
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おかあさんは 誰にむかって 言っているのでしようか?
聞き手は?
“ しろって 「 いろ 」 が ついてないね ” と いっている子ども。
“ くろは いろじゃ ないの? ” とも いっています。
和田誠さんの絵が、 聞き手を 描いています。
そして、 読者も 参加。
「 みどりいろは これ 」。
「 むらさきいろは これ 」。
「 だいだいいろは これ 」 と 言いながら。
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そして、
答えていくたびに、
いろは ひとつずつ 画面から 消えていきます。
どこに いったのかな ?
でも、 最後に びっくり !
さまざまな色の 形を あつめて、
家が できています。
「 しろ 」 の形も 「 くろ 」 の形も ちゃんと 使われています。
どれひとつ 欠けても、 家は できません。
すべての色と形を あつめた この 「 家 」 には、 象徴性が あります。
和田誠さんの絵が、 絵本の世界を 深めています。
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いろは いろいろ
でも、みんな いろ
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この絵本 の 「 いろ 」 は、
たくさんあって、 みんなちがう ( 差異性 ) けど、どれもたいせつな 「 いろ 」。
みんな同じ 「 いろ 」 ( 同一性 )。 同じ仲間。
また、 「 いろ 」 に、 子どもを当てはめてみます。
子どもは いろいろ
みんな 子ども
そして、 絵本にでてきた犬、 鳥、 木も・・・
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※ 『 いろは いろいろ 』 沢木耕太郎作、 和田誠絵 講談社 2013年