ふるはしかずおの絵本ブログ3

『 いもうとの にゅういん 』- 「ほんとうに おおきな おねえさんに なったのね」

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表紙を ごらんください。
右が、あさえ、
左が、妹のあやちゃんです。
ふたりは 色違いの服を 着ています。
あさえは、大好きな人形(ほっぺこちやん)を 渡したくないようです
( これが 伏線。)
・・・
あさえ が、幼稚園から 帰ると、
あやちゃんが ぐったり しています。
おかあさんが、病院に つれていきます。
あやちゃん は、盲腸です。
手術を することに なりました。
入院の準備をし、病院に行く おかあさん。
・・・
ひとりになった あさえ。
稲妻が 光り、
雷が  鳴ります。
激しい雨が まどを うちます。
あさえは ベッドに もぐりこみ、
人形の ほっぺこちゃんを 抱きしめます。
・・・
お父さんが 帰り、ふたりだけの 夕ごはんです。
電話が 鳴ります。
あさえちゃん? もう、だいじょうぶ。・・・あした、おとうさんと おみまいに きてね
うん …… 」

あさえは、お見舞いに 何を持っていこうか 考えます。
折り紙を 折り、
てがみを 書きます。
あやちゃんが、もっとよろこぶものって、なにかしら・・・」
あさえは、
かんがえ、
かんがえ、
かんがえて、
おおきな つつみを つくりました。
( つつみの中に、なにを入れたのでしょうか? )
・・・
次の日、あさえは、あやちゃんに おおきなつつみを 渡します。
出てきたものは・・・
ほっぺこちゃん です。
あやちゃんは、大喜びです。
・・・
あさえちゃん、たったひとばんで ほんとうに おおきな おねえさんに なったのね
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文でも絵でも、あさえの思いが、手に取るように わかります。そして、あやちゃんが入院した時、あさえは、何をすべきかを理解しました。また、読者は、絵本を読みながら、あさえの心配、不安、とまどい、喜びを わがことのように体験します。「おおきな おねえさんに なった」あさえ。あさえの成長が 描かれた 絵本です。子どもの成長は、日々のつみかさねです。また、あさえのように、ものごとに対する認識を変えて、飛躍的に起こります。
『 はじめての おつかい 』の筒井頼子さんと林明子さんの絵本。『 あさえと ちいさいいもうと 』の続編です。
・・・
※『 いもうとの にゅういん 』 筒井頼子作、林明子絵、福音館書店 1987

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