ふるはしかずおの絵本ブログ3

『たろうのおでかけ』-交通ルールをまもって、まみちゃんのうちへ

おはなし仕立てで、交通ルールを守ることを教えます。

  

たろうは、

すみれの花と アイスクリームをもって、

まみちゃんの 誕生日のお祝いに でかけます

いぬの ちろー

ねこの みーや

あひるの があこ

にわとりの こっこも いっしょです

 

 「いってきまーす」

 「きを つけてね」と、おかあさんが いいました

     

    

にぎやかな とおりへ きました

たろうは いいました

はしっていこう」 

みんなは、とっとこ とっとこ・・・

おーとさんりんの おじさんが いいました

    

 「そんなに はしっちゃ、だめ だめ だめ!

     

 「ぼくたち とても いそぐの。

  うれしいことが あるんだもの」

   

 「けがを するから」

 

 みんなは、はしらないで いきました

        

     

交差点で 黄色の 信号のときに わたろうとすると

ぴぴぴぴぴ・・・

おまわりさんに ちゅうい されました

    

      

車の道を わたろうとすると

今度は ゆうびんやさんが いいました

だめ だめ だめ 

横断歩道を 通らなければ だめ だめ

    

みんなは 横断歩道を とおりました

    

     

幼稚園のうらの はらっぱに きました

はらっぱの むこうに まみちゃんの うちが 見えます

     

たろうが

とっとこ かけだすと

ちろーも みーやも があこも こっこも 

おもいっきり かけました

とっとこ とっとこ とっとこ とっとこ・・・

  

 もう、だれも

 「だめ だめ だめ!」って、いいませんからね

 

         

「たろうのおでかけ」は、まみちゃんに誕生日のプレゼントを持っていくおはなしですが、おかあさん、オート三輪のおじさん、おまわりさん、ゆうびんやさんに、道路を走ったりしないこと、道路信号をまもること、横断歩道を渡ることを注意されます。交通ルールを守ることのおはなしでもあるようです。

        

出版年の1966年のことを考えますと、当時は、自動車が急激にふえ、「車中心の社会」になりつつある時代でした。「交通戦争」といわれるほど、交通事故や事故死がふえました。おはなしの背景に、社会問題化していた、急激なモータリゼーションがあります。

        

交通ルールを守ることは、いまも大切なことです。おはなし仕立てで、交通ルールをやさしく教えています。同じ時期に出された『ちいさなねこ』(1967年)にも、ちいさなねこが、車に、危うくひかれそうになる場面がありました。

     

         ・・・

※『たろうのおでかけ』 村山桂子作、堀内誠一絵、福音館書店、1966年 (2026/2/21)

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