ふるはしかずおの絵本ブログ3

『三びきのごきげんなライオン』- 庭師になるライオン

庭師になった、ライオンの おはなしです。

      

     

フランスの動物園に、

ごきげんなライオンの 夫婦が いました。

ふたりに、赤ちゃんの ライオンが うまれました。

飼育がかりのむすこ、フランソワくんと 同じ名まえの、

フランソワと なづけました。

   

 「むすこの フランソワは、

  しょうらい、なにになったら 

  しあわせだろうか

     

ふたりは 考えました。

あれこれと 悩んでいたとき

ご婦人が、ペットとして、フランソワを 引きとりました。

ごきげんな ライオンと おくさんの目から 涙が おちました。

けれど、独り立ちをする ころあいだったのです。

 

   

ご婦人の家で、たいせつに 育てられましたが、

フランソワは、

どんどん おおきく なりました。

手に 負えなくなった ご婦人は、

サーカスの団長の タンブールさんに フランソワを 引き取ってもらいました。

     

    

フランソワは、

はじめ サーカスは たのしいところだと思いました。

 

 とらは 高いいすに のって ほえ、

 くまは 自転車を こぎます。

 ぞうは おどり、

 あしかは ラッパを ふきます。

     

タンブール団長は、

フランソワに、火の輪くぐりを させようとします

でも、

どんなに おしえても、

フランソワは、お客さんを こわがらせることも

火の輪くぐりも しません

    

 「おまえさんには サーカスの芸は むかないね

  動物園に かえるのが なによりだとおもうよ」

     

     

ごきげんなライオンと おくさんは、

帰ってきた むすこのフランソワを だきかかえて ごきげんです。

 

 ペットの ライオンにも、

 サーカスの ライオンにも なれませんでしたが、

 そんなこと ぜんぜん 気にしませんでした

    

     

動物園で

ライオンの フランソワは、

やってみたかった 庭師に なりました。

いまでは、フランソワくんの 手伝いを しています。

     

    

 手押し車を おし、

 穴を ほり

 花の 水やり

 草むしり

 落ち葉かき

 花の虫たいじ

 ライオンの しごとに ぴったりです。

      

ごきげんなライオンと おくさんは、

いまでは むすこのことが たいそう 自慢です。

   

 「ライオンは かしこいんだから、

  やろうとおもうしごとは、やれるものなのさ

       

           ・・・

「三びきだと二ひきよりももっとごきげん」という気持ちの、ごきげんなライオンと ごきげんなライオンのおくさん。愛情豊かに育てられたフランソワ。ペットのライオンにも、サーカスのライオンにもなれませんでしたが、さいごに動物園に戻り、庭師になりました。庭師のむすこ・フランソワ君の仕事を小さい頃からずつとみていて、庭師の仕事が 好きだったのです。やりたいことをするのがしあわせです。それを見まもっいているごきげんなライオンとおくさんも、しあわせなきもちでした。

        

子どもの幸せを願う両親のライオン、自分がしたいことを見つけたフランソワ。よかったね、といいたい読者。みんな、しあわせな気持になります。

   

            ・・・

※『三びきのごきげんなライオン』 ルイーズ・ファティオ作、ロジャー・デュボアザン絵、晴海耕平訳、童話館出版 2005年  (2025/8/18)

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