ふるはしかずおの絵本ブログ3

『ハンタイおばけ』-ものごとを反対に見る

なんでも反対のことをする、お化けの はなしです

     

        ・・・

ある日

ハンタイおばけが、天井から あらわれた。

ネイト(絵本の男の子)が 言いました。

     

 「よく、天井に たっていられるね。おりておいで!

       

でも、

下りてきません。

なぜかって?

ハンタイおばけは、反対のことをするから。 (なるほど)

        

    

コーンフレークを ボウルに 入れ、

ミルクを 入れようとすると、

ハンタイおばけが あらわれて、

ミルクは 天井に広がり、たれてきます。

      

    

学校の お絵かきの 時間。

ゾウを 描こうとすると、

絵具は、上にのぼり、

床に落ち、壁へ、先生の方に 流れます

ハンタイおばけの 仕業です。

    

     

ネイトは、いいことを 思いつきました。 

ネイトは、何もないところを 指さし 言いました。

    

   

 「ぼくの ゆびさしているところには 

  ハンタイおばけは いません

    

   

すると、

ハンタイおばけが あらわれました。

ちょとんとした 顔で。

なんだか 心配そうに。

     

     

 「きょうは ハンタイおばけが いっしょで たのしかった

  このまま ずっと ずっと いっしょに いてほしいなあ

   

    

 ひゃー

 ひぇー

   

ハンタイおばけは、きえてしまいました。

    

     

次の日、ハンタイおばけが、あらわれました。

どうしよう。

このおはなしを 終わらせたくないと思った ネイトは・・・

こういったのです。

 

  「お わ り!」

      

           ・・・  

おばけと言っても、こわくないハンタイおばけです。ハンタイおばけに困っていた、ネイトは、いい考えを思いつきました。ハンタイおばけに、「いません」と言えば「いて」、「いてほしい」と言えば「消え」、「おわり」と言えば「はじまり」のことだと気がつきました。ネイトは、ハンタイおばけを消したり、出したりすることができるようになりました。論理的に考える、頭のいい子です。

    

以前、『アベコベ さん』 という絵本を紹介しました。起きるのは真夜中。生活のすべてがアベコベの家族のはなしでした。常識とのズレから、笑いやユーモアがうまれます。

また、ものごとを反対に見ることから、たくさんのことを学べます。

     

           ・・・

※『ハンタイおばけ』 トム・マックレイ作、エレナ・オドリゾーラ絵、青山南訳、光村教育図書 2006年  (2024/6/11)

SHARE