ふるはしかずおの絵本ブログ3

『あたしもすっごい魔女になるんだ!』- ゼルダの気持ち、わかる?

魔女のママに あこがれる ゼルダです。

 

     ・・・

ママは、魔法のくすりで

相手を

カエル

クモ

ほこりに 変身させちゃうの。

    

呪文も 得意

ドラゴンになるキノコのことも よく知っている。

魔女になりたい ゼルダ。

    

    

 魔法は あぶないの、おあそびじゃ ありません

    

    

ある日、

ゼルダは ママのお茶に 魔法のくすりを いれてみた。

   

 バン!

  

ママは カエルに なっちゃった。

やった。

すきなことが できる!

   

    

でも、

魔法を解く方法が わからない。

どうしたら もとに もどるんだろう。

  

 ママ、こわいよ!

   

ママを さがさなくちゃ

たくさんの カエルを つまえて、

いっぴき いっぴき キスをすると・・・

   

  やった、ママだ!

    

ママは かんかん。

    

でも、

ママは あたしを だきしめて

やさしく 言った。

   

 「いいのよ

  わたしも むかしは そうだったもの

   

  やっぱり ママって、すごいよ

  そのうち あたしも

  すっごい 魔女に なるんだ!

    

        ・・・

「あたし」(一人称視点)の視点から書かれていますので、ママのようになりたいというゼルダの気持ちがよくわかります。すこし背伸びをしたいゼルダです。

     

また、ゼルダの過ちをやさしくただす、ママの態度に共感します。ママは、ゼルダようにして成長してきた、と正直に語っています。子どもの気持ちを尊重し、みちびくママを見習いたいと思う、大人の読者もいることでしょう。魔女の魔法のはなしを通して、親子のつながりを描いています。

    

子どもにとっては ゼルダが、

大人にとっては ママが、

主人公かもしれません。

    

      ・・・

※『あたしもすっごい魔女になるんだ!』 ミッシェル・ヴァン・ゼブラン作、金原瑞人訳 小峰書店  2004年  (2024/6/12)

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