
有名なグリム童話です。
ある日
おかあさんが あかずきんちゃんに いいました
病気の おばあさんの ところに
おかしと ぶどう酒を ととげてあげて
道草を しないようにね
森にさしかかると
いっぴきの おおかみに 声をかけられました
「どちらへおでかけかな?」
「おばあさんのおうちよ」
おおかみは かんがえました
「ようし うまくやって ふたりとも くっちまおう!」
あかずきんちゃんが おばあさんのために
花を つんでいる あいだに
おおかみは おばあさんの家に さきまわりして
おばあさんを ぱくりと のみこんで しまいました
おおかみは おばあさんの ねまきを きて
ナイトキャップを かぶり
ベッドのなかに もぐりこみます
あかずきんちゃんが
おばあさんの 家に つくと
ようすが おかしいことに 気がついて
むねが どきどき してきました
ベッドのなかの おばあさんに いいました
「あら どうして おみみ なんて おおきいんでしょう」
「おまえの かわいいこえが よく きこえるようにね」
「まあ おおきな おめめだこと」
「かわいい おまえをが よく みえるようにね」
「おくちも ずいぶん おおきいのねえ」
「おまえを ひとくちに たべちゃうためさ!」

おおかみは ベッドから とびおきて
ぱくりと あかずきんちゃんを のみこんでしまいました
狩人が
おばあさんの 家のそばを とおりかかりました
なかに はいりました
おばあさんの いびきが 大きいことに 気がつきました
なんと おおかみが
ぐうぐう いびきを かいているじゃありませんか
狩人は、おおかみの お腹を きりさきました
すると
あかずきんちゃんと おばあさんが でてきました
あかずきんちゃんは
おおかみの お腹に 石を つめこみました
目をさました おおかみは お腹の石が おもすぎで
ばったり たおれて しんでしまいました
おばあさんは おかしと ぶどうしゅを のむと
すっかり げんきに なりました
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あかずきんちゃんとおおかみとの会話は、やはり読みかたりの山場です。危機を避けたい心と 先を見たい心の矛盾する感情(アンビバレンス)が、読者のなかに一気に高まります。
ペロー(1628-1703)の『赤ずきん』(Le Petit Chaperon rouge)には、ふたりの救出はありません。その教訓は、若い娘たちは、あまい言葉をかけてくる相手を、うかつに信用してはいけないということです。おおかみは、人間社会にいる危険な人物のたとえです。いまも、世の中にも、なんと多くの「おおかみ」がいることでしょう。
ガルドンの「あかずきんちゃん」は、さいごにこう言っています。「お母さんがいけませんっていうのに もりのなかでふらふらするなんて・・・ もうけっして あんなこと しない あたし」。子どもに向けた教訓話になりました。
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※『あかずきんちゃん』 グリム童話 ポールガルドン絵、ゆあさふみえ訳 ほるぷ出版 1977年









