あめ、 あめ、 あめ、 あめ。
あめが ふるとき、
ちょうちょうは、
どこへ いくのかしら。
・・・
ほんとうに あめが ふってきたら
ちょうちょうは どこに 身をかくすのでしょうか?
もぐらは、 穴に、
みつばちは、 巣に、
小鳥は、 翼の下に頭をいれます。
ねこは、 玄関に、
へびは・・・
ばったは・・・
うさぎは・・・
みんな 隠れるところが あるに。
でも、
あめが ふるとき、ちょうちょうは、 どこへ いくのでしょう。
めうしたちは、 あめに ぬれています。
あひるも 平気です。
さかなたちは?
さかなたちは、 水の なか、
かめは、 こうらの なか、
みんな 隠れるところが あるに。
でも、
ちょうちょうは、 どこに?
はねが ぬれたら とべないのに。
・・・
あめが ふるとき、 ちょうちょうは、 どこへいくのかしら
・・・
このことばが、 4回、 くりかえされます。
くりかえされるなかで、
なぞが 深まり、
語り手の、
読者の、
ちょうちょうへの思いが 深まっていきます。
・・・
語り手の わたしは
あめが こぶりになったら すぐに、
木のところへ、行ってみようと思います。
きっと、
小鳥が、
そして、 たぶん
ちょうちょうも 見つかると思っています。
ちいさな生きものへの思いやりにあふれた絵本です。
詩情ゆたかな絵本。
青を基調とした絵は、
しっとりとした雰囲気で、この詩の世界に、 ぴったりです。
・・・
※ 『 あめが ふるとき ちょうちょうは どこへ 』 M・ゲアリック作、 L・ワイスガード絵、 岡部うた子訳、 金の星社 1974年発行 絵は、 『 たいせつなこと 』 を描いた レナード・ワイスガード です。