ふるはしかずおの絵本ブログ3

『おさるとぼうしうり』-読んで、楽しい絵本です

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『おさるとぼうしうり』は、読んでみると、さらに面白さがわかる絵本です。
     ・・・

昔、

あるところに、ぼうしを売り歩く人がいます。

ぼうしうりは、

自分の チェックの ぼうしの上に、

ねずみ色、

茶色、

空色、

赤色の ぼうしをのせて売り歩きます。

ある日、 

彼は、 ぼうしを頭にのせたまま、 昼寝をすることにしました。

しばらくして、 起きてみると、 ぼうしがありません。

木の上に いた さるが、 ぼうしを みんな とって しまったのです。

ぼうしうりは、 どのようにして、 ぼうしを 取りもどすのでしょうか。これらの場面が、読みかたりの楽しいところです。

      

 みぎをみても

 ない。

 ひだりをみても

 ない。

 うしろをみても

 ない。

 きのうしろをみても

 ない。

 ところが、 きのうえをみあげると、 これはまあ、 どうでしょう!

 えだというえだに、 おさるがいました。 そして、 おさるというおさるが、ぼうしをかぶって いました-ねずみいろのや、 ちゃいろのや、 そらいろのや、あかいのを。

 

「 ない 」 のところは、行を改めて 書かれています。

「 みぎをみても 」 のあとに、「 間 」を置いてみますと、 次の 「 ない 」という言葉が、聞き手の子どもの心をくすぐります。ここは、 子どもに 言わせて見るのも 面白いでしょう。この絵本には、ユーモアの味もあります。読んでみますと、その魅力が よくわかる絵本 なのです。

          ・・・・・・ 

※『 おさると ぼうしうり 』 E・スロボドキーナさく・え、 松岡享子訳、 福音館書店 1970年  (2013/8/6)

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