黄色の空。
なにか、
おかしなことが、はじまりそうな雰囲気です。
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キャベツくんが、歩いていくと ブタヤマさんに会いました。
ブタヤマさんは、
「 あのね、おなかがすいて フラフラなんだ。 キャベツ、おまえをたべる!」
「 ぼくをたべると、キャベツに なるよ!」
・・・
次のページを ひらくと、
ブキャ!
ブタヤマさんが、 空に うかんでいます。
はなが キャベツになっています。
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「 じゃあ、 ヘビが きみをたべたら、 どうなるんだ?」
ページを ひらくと、
ブキャ!
おだんごみたいな キャベツのヘビが、 空にうかんでいます。
このあと、
キャベツくんと ブタヤマさんの 珍妙なやりとりが続きます。
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タヌキがたべたら・・・ こうなる!
ブキャ!
ゴリラが たべたら・・・ こうなる!
ブキャ!
カエルがたべたら・・・ こうなる!
ブキャ!
(もう、 予想がつきますね。)
ライオンがたべたら・・・
ゾウがたべたら・・・
ノミがたべたら・・・
クジラがたべたら・・・
空には、キャベツになった動物たちがうかんでいます。
キャベツの クジラは 見ものです。
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場所も、
風景も、
すこしずつ 変わっていきます。
最後は、 なにも言えなくなる ブタヤマさん。
キャベツくんが、ブタヤマさんに レストランで「 ごちそうしてあげる 」といいます。
やさしいキャベツくん。
でも、
どこに、
どんなレストランが あるのでしょうか?
絵本には 描かれていません。
もしかしたら、 キャベツの形をした レストラン ?
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奇想天外の絵本、 荒唐無稽の絵本、 ずっこける絵本、 とっぴで奇抜な発想の絵本、 エキセントリックで笑える絵本、 型やぶりで斬新な絵本、 へんてこで、けったいな絵本、 ユーモアがあり、一風かわった、あそび心にあふれた絵本とにかく おたのしみ満載の 絵本です。
ほんとうに、 おもしろい絵本ですね。
「 ナンセンスとは いうのは、 不条理というか、 あり得ないけど 「 フフフ 」 って、 笑っちゃう ような、 おもしろい お話のこと です。」 ( 長 新太 )
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※ 『 キャベツくん 』 長新太 文・絵、 文研出版 1980年 読んであげるなら、 4歳頃から。