ふるはしかずおの絵本ブログ3

『 ラチと らいおん 』- らいおんはラチのこころの支えです

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ハンガリーの作家マレーク・ベロニカ (1937-) の絵本です。
よわむしの ラチ(表紙の子)。
でも、ちいさな らいおんのおかげで どんどんたくましくなります。
・・・
いつも 泣いてばかりの ラチ。
らいおんの 絵を見て、
ぼくに、こんな らいおんが いたら、
なんにも こわくないん だけどなあ

そんなラチのところへ ちいさな あかい らいおんがやって来ました。
ぼくは つよい らいおん ・・・
ぼくが つよくしてやるよ

らいおんは
いち にっ さん !
いち にっ さん !
ラチと体操をしたり、( 下の絵 )
はげましたり、暗い部屋に いっしょに入ってあげます。

ラチは、ぽけっとのなかの らいおんと いつもいっしょ。
ラチは、らいおんに はげまされ、
いまでは
いすを 持ちあげたり、
逆立ちだってできます。
すもうをとって、らいおんにも 勝ちます。
・・・
ラチは、いじわるな子から ボールも取り戻しました。
でも、そのとき、ラチのぽけっとに、らいおんはいません。
ぽけっとには、りんごが あるだけです!

きみは つよくなったよ、
ぼくは これから よわむしの ところへいくという
手紙をのこして らいおんは、 さっていきました。

ラチは、ちいさならいおんの力を借りて、自分の殻をうちやぶっていきました。ラチにとって、らいおんは、見まもり 背中をおしてくれる人物 です。こうした人物がいることは、どの子にとってもたいせつなことです。読者は、ラチに共感し、らいおんとお友達になりたいことでしょう。また、絵本を読んで励まされ、おおきな力をもらうことでしよう。
子どもは成長する。
・・・
※『 ラチと らいおん 』 マレーク・ベロニカ文・絵  とくながやすもと訳  福音館書店 1965年(原作は1961年) (2017/2/22)

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