人物は 知らないのに、
読者は 知っている。
こうした しくみ ・ しかけ のある 絵本です。
読者も 参加します。
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こいぬが、ねています。
だれかが、ニャーンと いいました。
・・・
だれだい、そこにいるのは ?
・・・
こいぬは、
ニャーンと いったのが、
だれだか、しりません。
( 読者は 知っいますよね。 )
・・・
きみかい、ニャーンと いったのは ?
・・・
ねずみ
おおきな いぬ
にわとり
かえる
さかな
ミツバチ に
聞いて まわります。
でも、
わかり ません。
また、
はちに さされたり
びしょぬれに なったり
いろいろな 失敗もします。
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なき声の 正体は、
もちろん ねこ。
ねこは、
最初から 絵本のなかに 描かれています。
・・・
「 ねこだよ 」
「 あそこに いるよ 」
「 気が つかないの ? 」
「 ここ ここ 」
と教えたくなります。
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こいぬは、
子どもの すがた そのもの。
好奇心をもち、
自分で 行動して、
さいごは、
ねこと たたかい、
正体を みやぶりました。
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ねこと たたかうとき、
ウ ウ ー ッ ! と、
おおきないぬの うなり声を
まねています。
学んだこと( 経験 )を
すぐに
いかす かしこい こいぬです。
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※ 『 ニャーン と いった のは だーれ 』 ステーエフ文・絵、 西郷竹彦訳、 偕成社 1969年