『パンダの シズカくん』の 続編です。
アディ、マイケル、カール、シズカくん、クーちゃんと
老婦人 ホイテカーさんとの交流を描きます。
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夏休み、
甥っ子のクーちゃんが 訪ねてきました。
クーちゃんは、俳句に凝っています。
あいさつも、おはなしする言葉も、みんな五・七・五。俳句です。(ユニークですね。)
やあ、おじさん
ぼくはついたぞ
ニコニコと
シズカくんは、クーちゃんを アディ、マイケル、カール(3人は前作にも登場)に紹介し、いっしょに遊びます。
そして、
ご近所の老婦人、
ホイテカーさんに、食べ物を持っていくことにしました。
でも、3人は、気難しいホイテカーさんが ちょっと苦手。
( なぜって ? )
どなられたことが あったのです。
でも、
ホイテカーさんは、からだのぐあいがよくないんです、
とシズカくん。
みんなは、スープとパンを持っていってあげます。
元気そうにみえない、痩せた小さなホイテカーさん。
( 末っ子のカールは そう思いました。)
みんなで おそうじも。
カールとクーちゃんは、描いた絵をおいていきます。
みんなが帰ったあと、ホイテカーさんは その絵を見ています。
カールの りんごの絵を。
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こくごの先生だった ホイテカーさん。
マイケルは、こくごを教えてもらうことになりました。
カールは、りんごを取ってあげます。
ホイテカーさんは、アディといっしょに アップルティーをつくり、みんなにふるまいました。
顔色のいい ホイテカーさん、
幸せそうな ホイテカーさん。
彼女は、アディ、マイケル、カールに 大きな声で言います。
あんたたち! 通りなんかじゃなくて、うちの庭で遊びなさい。
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きょうは、
クーちゃんが、さよならをする日。
クーちゃんは、3人とかたく抱き合い、ごあいさつ。
なつおわる
ともだちの顔
わすれない
子どもたちは「ひとつの 経験」をしました。それは、「まとまりがあり、個性ある性質と自己充足性のある」経験、心のこもった思い出にのこる 経験(デューイ)です。
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※『 シズカくんと クーちゃん 』 ジョン・J・ミュース作・絵、三木 卓訳 フレーベル館 2009年
【 追 記 】
絵本の中に、使い捨ての紙コップがでてきます。この紙コップは、中川宋淵師(1907~1984)の体験談に触発されたとミュースさんは言っています( 三木卓さんのあとがき )。はじめの場面に出てきた紙コップ。最後の場面でもう一度でてきます。もう捨ててもいいよというシズカくんに、クーちゃんは首を横に振り、俳句でこういいます。 なつのたび/もってかえるよ/コップごと (2016/8/26)