め め めんたま。
それは、「あかい いろ」を食べてしまう めの おばけです。
あかい いろが すき
あかい いろを くう
丸でも、
四角でも、
赤いものなら なんでも たべてしまう。
ページをめくると 赤いものは、
すぽっと 食べられてしまいます。
はじめは、
まっかな とさかと しっぽの おんどり。
いばってる。
ない!
ない!
ない!
とさかが ない
しっぽが ない
みっとも ない
ない ない
しかたがない
ないても ないても
こえが でない
なくにも なけない
なさけない
め め めんたまが 次に食べたのは、
あかい 靴
あかい 服
あかい 傘
・・・
消防自動車 と 火事
街の中の あかい もの
・・・
さいごは おやつを 食べている 部屋のなか。
次のページをめくると、
あかが ない?
あかではなくて、きいろと あおが ありません。
・・・
おや?
おや?
おや?
きいろが ない!
あおが ない!
あかを 食べ飽きた め め めんたまは、
あおや きいろを
ちょいと たべてみたく
なったんですって
・・・
韻を踏んだ文章です。テンポがあって、言葉のリズムが、たのしい絵本。ユーモアもあります。その一例として、おんどりの場面を引用しました。
また、なくなった赤を、絵の中にさがす楽しみもあります。赤を食べられて、びっくりする人物の表情も笑えます。
・・・
※『めめめんたま』 西郷竹彦作、樋口智子絵、ひかりのくに 2002年
【 追 記 】
作者の西郷竹彦さんは、6月12日にお亡くなりになりました。97歳。文芸教育研究協議会の理論的支柱として活躍され、ロシア文学の翻訳をはじめ、絵本の創作、文芸教育理論に関する論文・著作を数多く発表されました。著書に「西郷竹彦文芸・教育全集」(全34巻別巻2 恒文社 1996-1999)などがあります。『かもとりごんべえ』もこのブログで紹介しています。 謹んで哀悼の意を表します。 (2017/7/19)