ふるはしかずおの絵本ブログ3

『 びんぼう こびと 』- 人生の転機は、こんなことからも!

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ウクライナの民話です。
・・・
ひとの ねてるまも やすまずに はたらいて いるのに、
はたらいても
はたらいても、
貧乏な おひゃくしょうさん。
おかみさんや 子どもたちに、パンさえ食べさせられない日もありました。
・・・
あるとき、
おおきなパンとベーコンをもって 帰ることができた おひゃくしょうさん。彼は、村でも評判のバイオリン弾き。うれしくなって、バイオリンを弾き、子どもたちは、バイオリンにあわせて 踊りだします。

あれ、
ちいさい ちいさい もの(?)が動いています。
てふり あしふりして 踊っています。

それは、やせっぽちの びんぼう こびと

ずっと ここに すんでいるのさ。

貧乏の原因は、これ。
びんぼう こびとが いたからです。
おひゃくしょうさんは、やさしく言います。
もっと ひろいとこに うつしして やろう。
でも、
こびとたちを ふくろ詰め。水車小屋に閉じ込めました。
・・・
それからというもの、暮らしは、どんどん よくなっていきます。
小麦、
キャベツ、
じゃがいもも よく できました。
にわとり、
あひる、
豚、
牛も 飼えるように なりました。
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それを妬んだ 強欲な地主。
びんぼう こびとの袋を 奪い、
それを あけると・・・
もちろん、一文無しに なってしまいましたとさ。
・・・
真面目なおひゃくしょうさんは、機転をきかせて 状況を逆転。強欲な地主は、欲と妬みから転落です。ウクライナの人たちの人情も、わたしたちと同じですね。
ところで、バイオリンを弾くと、子どもたちだけでなく、貧乏こびとが踊りだす場面が、わたしはなんとなく好きです。陽気なバイオリンが聞こえてきます。家族を愛している おひゃくしょうさん、音楽をたのしむ家族、それにつられて出てくる 貧乏こびと。とてもたのしい映像と音楽が浮かびます。絵もおはなしも 面白い。もっと読まれていい絵本だと思います。

※『 びんぼう こびと 』 ウクライナ民話、 内田 莉莎子再話、 太田 大八絵、福音館書店 1998年  (2017/1/17)

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