ふるはしかずおの絵本ブログ3

『 どうぞの いす 』- 「あとの ひとに おきのどく」

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子どもたちに、出合ってほしい絵本。
人気の絵本です。
・・・
うさぎさんが、小さな椅子を 作ります。
自分と同じ しっぽもつけました。
どうぞの いす」という 立て札をつけて、大きな木の下に 置きました。
・・・
やってきたのは、ろばさん。
どんぐりを 「どうぞの いす」に 置いて
木の下で 一休み。
お昼寝。
気持ちがよくて 眠ってしまいました。
・・・
そこへ
くまさんが やってきます。
「どうぞの いす」を見て 勘違い。
「どうぞならば えんりょなく いただきましょう」
くまさんは、どんぐりを みんな食べてしまいました。
でも、
あとの ひとに おきのどく
くまさんは、かわりに 蜂蜜のびんを 籠に 入れて行きました。
ろばさんは、まだ くう くう お昼寝。

づぎは きつねさん。
きつねさんも 勘違い。
「ごちそうさま。どうぞならば えんりょなく いただきましょう」
蜂蜜を みんな なめてしまいました。
でも、
あとの ひとに おきのどく
かわりに、焼きたての パンを 置いていきました。
・・・
つぎは りすさん。
りすさんたちも、パンを食べてしまいます。
でも、あとの ひとに おきのどく
を いっぱい籠に入れて行きました。
・・・
目を覚ました ろばさんが、椅子の上に 見たものは?
栗 !
「どんぐりって、くりの あかちゃんだったかしら。」

「どうぞの いす」は、「どうぞ お座りください」だったのに、食べ物が椅子に置かれたとたん、「どうぞ お召し上がりください」になってしまいました。でも、くまさん、きつねさん、りすさんは、食べた後に、次の人のことを思って食べ物を置いていきます。「 思い 」 を 「 遣る 」 世界です。ほのぼのとした世界、心ゆたかな世界です。
ところで、読み終わって考えます。
くま、きつね、りすさんのように、わたしは他の人に何か親切な行為を示しているだろうかと。
・・・
絵本の世界を、ゆたかに体験すること、
絵本のなかに、自分を見ること、
自分のなかに、絵本の人物を見ること

のなかで、子どもたちの心は育っていくことでしょう。
・・・
※『 どうぞの いす 』 香山 美子作 柿本 幸造絵 ひさかたチャイルド 1981年 (2016/3/19)

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