モーツァルトの幼少期を描いた絵本です。
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モーツァルトは、子どものころ、おとうさんとおねえさんと一緒に、ヨーロッパ中を演奏旅行してまわった。
ロンドン、
アムステルダム、
パリ、
ミュンヘン、
ウィーン、
ローマ。
王さま、王子さま、公爵さまのまえで、女王さま、皇后さま、教皇様の前で演奏した。
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おとうさんにいつも見張られている。
れんしゅうしろ、ヴィルフガング、
れんしゅうだ!
とおとうさん に言われるモーツァルト。
遊ぶひまはなかったの? ともだちはいないのかな?
あのね、ほんとは、ぼく、あそんでるんだよ。
でも、ピアノを弾くことが遊び。
空想のなかの ともだちたち。
ひるも よるも 音楽がともだち。
空想すると歌が聞こえてくる。
夢のなかでも、ほら、あそんでいる。
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ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトは、
うつくしい音楽をのこしてくれた。
ブラーボー!
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モーツァルトは音楽の天才でしたが、「モーツァルトくん」と訳した訳者の工夫を感じます。身近な人物になりました。
また、この絵本はミロス・フォアマンに捧げられています。ミロス・フォアマンは映画「アマデウス」の監督です。ピーター・シスは彼から映画のポスター制作を依頼されたことが、世にでるきっかけだったようです。
また、シスが描いた伝記絵本は、ガリレオの『星の使者』、コロンブスの『夢を追いかけろ』、ダーウィンの『生命の樹』があります。
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※『モーツァルトくん、あ・そ・ぼ!』 ピーター・シス作・絵、きむらみか訳 徳間書店 2007年