花の蜜を集め、蜂蜜をつくるミツバチたちを描いた、おはなしの絵本です。
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ミツバチが、
4まいの はねを
ブンブン ならしています。
バンバン パンパン いわせています。
花粉がいっぱい
キラキラ あかるい 花、
あまーい
みずみずしいい
花のミツを さがしています。
ごくん ごくん ごくん
うーん、いっぱい
丘に もどろう・・・
みんな あつまってきます。
はねまわって、
とびまわって、
とびこんで、
のぞきこんでます。
おなかが おもたくなると、
ブーン、とびます!
わたしたちの巣へ!
わたしたちの おうちへ!
「どこで お花を みつけたの」
「踊って おしえて どこなのか」
ダンスが はじまり、
おしりを くねくね、
あしを くるくる。
あつめた花のミツを
だして、まとめ、かきまぜ、かためて、しっとりさせて、ぷるんとさせる。
ミツ房に おしこみ、
ハチミツの 完成です。
それから、ミツ房に 蓋をします。
ふたは、おなかが ペコペコのときしか あけません。
さむい冬は からだをよせあって すごします。
春、
ちいさいハチたちは わかっています。
なにを したらいいかを。
ミツバチたちが、花の蜜を集め、ハチミツをつくる過程がよくわかります。ミツバチたちを描いたおはなし絵本ですが、科学的な知識をしっかりふまえています。科学の絵本といってよいものです。また、自分がつくったものなのに、「おなかがペコペコのときしか」食べないということに、ビックリです。
くりっとしたキュートな目が印象的なミツバチたち。読者は人物(ミツバチたち)に同化しやすいでしょう。
そのミツバチが、いま絶滅の危機にあります(巻末の解説)。
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※『ミツバチたち』 カーステン・ホール、イザベラ・アルスノー絵、青山南訳 化学同人 2020年 (2023/9/29)