![](https://ehon.furuhashi-kazuo.com/wordpress/wp-content/uploads/2019/12/-e1575596252929.jpg)
シルムとは、韓国のすもうです。
その決勝戦の様子を迫力ある絵で描きます。
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端午の節句、
川辺のの砂地に
見物客がおしよせます。
シルムの大会が開かれます。
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出てきたのは、赤のチャンサ(力士)。
うおっ
山のように でっかい!
いっぽう、
出てきたのは、青のチャンサ。
おや、
なつめの実ほど ちっちゃい!
・・・
青のサッパ(まわし)、赤のサッパを締め、
おじぎをして、くみあい、相手のサッパをつんかだら、
いざ、勝負!
ふんっ!
ありゃっ!
おっしゃ!
ひゅう!
おおっ!
よしゃ!
![](https://ehon.furuhashi-kazuo.com/wordpress/wp-content/uploads/2019/12/1-e1575597212743.jpg)
息は はあはあ。
あぶら汗 たらたら。
見守るひとも つばをのみこむ、ごくり。
うりゃっ みてろ!
勝負あったか?
ふんばる ふんばる ふんばる!
どたーん
・・・
やったあ、やったあ!
勝ったのは、ちっちゃいチョンサ、青のチョンサ。
どら、たいこ、つづみ、かね、らっぱが鳴る。
天下一の チャンサさま、
ぐっと酒を飲みほし、
みんなに頭をさげたら、
家まで 行進だ!
あっぱれ、おみごと! チャンサさま。
![](https://ehon.furuhashi-kazuo.com/wordpress/wp-content/uploads/2019/12/2-e1575597337774.jpg)
歓声があがり、チャンサ(力士)と観客が一体化している様子が絵からつたわってきます。「シルム」は古い昔から親しまれてきた伝統的な競技です。もち、飴、クッパといった食べ物、ノリゲ(衣服の装飾品)、靴などの雑貨を売る露天もでます。村中の人たちがあつまり、ひとつになる「祝祭」の場でした。
イ・スンヒョンさんの絵は、デフォルメがきいていて、決勝戦の熱気を力強く表現しています。ありゃ、おっしゃ、ひゅう、よっしゃの言葉で、こちらまで力が入ります。また、群衆のひとりひとりの顔の表情や姿が丁寧に描かれています。かれらの顔を見る楽しみもあります。日本の相撲とは、サッパ(まわし)をつかんで始まるところが違うようです。
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※『シルム』キム・ジャンソン作、イ・スンヒョン絵、ホン・カズミ訳、岩崎書店、2011年 (2020/2/13)