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やまんばの娘、まゆの大活躍です。
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ある日、まゆは、おにに会いました。
お腹をすかしたおには、まゆを煮て食べようとします。
「じょうちゃん、ちっと うちに あそびに こないかね?」
「うん、いく!」
おには、お湯を沸かします。
薪を集めてくれ、とおにが言うと、
まゆは、松の木を引っこ抜いて、薪をつくります。
かまどの石を集めてくれ、といわれると、
おにの岩屋のかべをけっとばし、おおきな岩を並べました。
(やまんばの娘ですから)
![](https://ehon.furuhashi-kazuo.com/wordpress/wp-content/uploads/2022/04/20220408_113753-2-e1649651696228.jpg)
おには、大鍋を火にかけます。
「どうして、おゆを わかすの?」
「さむい ひは あつい ふろに かぎるからさ」
鍋の湯は ぐつぐつと 煮え立ちました。
「じょうちゃん、あつい おふろに おはいり」
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「しんせつな ひとには、いつも、れいぎただしくしなさい」
まゆは、 おかあさんの言葉を思い出しました。
そこで、
まゆは言いました。
「おさきに どうぞ」
まゆは、おにをかかえ、ざぶんと鍋にほうりこんだのです。
「ぎゃおー」
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まゆは、泣いているおにを背負い、おかあさんのところへはこびます。おかあさんは、おにのおしりに膏薬をはってくれました。おにぎりとだいこんじるをご馳走しました。
まゆとおには、大の仲良しになりましたとさ。
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痛快なストーリーと超人的なまゆにびっくりです。しかし、明るく元気いっぱいで、優しく、愛らしく、礼儀正しいまゆです。おには、怖いところもありますが、すこし間が抜けていて憎めない役回りを演じています。
文章を補い発展させている降矢ななさんの絵も、この絵本の魅力です。動きのおおきなダイナミックな絵もあれば、笑えるような絵もあります。まゆとおにの表情と仕草のコントラストが読者を楽しませます。
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※『まゆとおに』 富安陽子作、降矢なな絵、福音館書店 2004年 (2022/5/30)