表紙のペンギンが、空をみあげています。
ペンギンは、空を飛びたいのです。
・・・
ちいさなペンギンは、かもめに聞きます。
「どうやって とぶの」
「ペンギンは そらは とばないの!」
ばだばたすれば、飛べるのかな
えーいっ!
ばたんっ
シュー
「だめだ」
パパが言います。
「ペンギンは 飛ばないんだよ。ペンギンは およぐんだ」
ちいさなペンギンは、
ぱたっぱたっ
ぱった ぱった
ぱたたたたたたた
飛ぶ練習です。
「よし、いくぞ」「おっと、すべった」「うわああ」「とまらない」「たすけて」
ばっしゃーん
海に落ちたペンギン
でも、
ちいさなペンギンは、パパと一緒に泳ぎました。
うえへ びゅーん
したへ びゅーん
わあ、なんだか おそらを 飛んでるみたい
ほらね、ぼくだって とべるんだ
・・・
あきらめずに 練習する姿が素敵です。ペンギンは空は飛べませんが、海をスイスイ泳ぐことはできます。読者の子どもたちは、じぶんの得意なことを見つけたペンギンに共感することでしょう。
実際、海中を泳ぎまわる様子は「水中を飛ぶ」と形容されます。
「よし、いくぞ」「おっと、すべった」「うわああ」「とまらない」「たすけて」のところやオノマトペは、読みかたりのポイントです。いきいきした感じを表現できます。
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※『 ぼくだって とべるんだ 』 フィフィ・クオ作・絵、まえざわ あきえ訳、ひさかたチャイルド 2020年 (2022/12/26)