ふるはしかずおの絵本ブログ3

『どんなきぶん?』- 野菜と果物たちの笑える表情

表紙(上の絵)をご覧ください。

野菜と果物を人の顔に「見立て」ている絵本です。

文章は、語り手と野菜と果物たちの対話です。

      ・・・

きみきみ どんな きぶん?

野菜と果物たちが、答えます。

 オレ? まあまあかな。

 ぼく? いや、あんまり……

 

ハッピー? それともブルー?

 べつに。

 そんなこと、きかないでくれよ。

 

ともだちに まちぼうけをくらったら どんなきぶん?

 またせちゃったね。ごめんね。

 いやっ、だい…… だいじょうぶだよ。

      ・・・

語り手が問いかけ、

野菜と果物たちが答えるという対話形式です。

 

いろいろな場面で、

どんな気分かを、野菜と果物たちに問いかける語り手。

 用もなしにやって来ても 平気?

 知らない相手は 恥ずかしい?

 ひとりだけ 違っているのって どんな気持ち?

 こっぴどく とっちめられても しゃあしゃあとして いられるか?

「好き」と聞いて、「好き」とかえって来るまで、どのくらい待てる?

     ・・・

野菜と果物たちは答えます。

 おもしろいじゃん。

 だめか? やべえ。

 なんだと?!

 もーぉ だめだっ。

 いやいや ちょっと……

 よくもいってくれたわね。

 それはどうもどうも。

 うん。 ・・・

パプリカ、たまねぎ、りんご、ピーマン、トマト、キウイ、レモン、いちご、ラディッシュ、メロン…。色も形もいろいろ。そして、不恰好な野菜や果物たち。目はブラック・アイ・ビーンズが使われています。これで野菜と果物たちの生き生きとした表情がうまれました。ユーモラスでゆたかな表情です。

 

  楽しい、おかしい、笑える!

 

「見立て」るという虚構の方法ですが、野菜と果物を使って、人のさまざまな感情を表現しているところにユニークさがあります。

そう言えば、子どもたちも、積み木を機関車に見立てて遊んでいますね。翻訳は日本で活躍する詩人・アーサー・ビナードさんです。 

       ・・・

※『どんなきぶん?』サクストン・フレイマン& ジュースト・エルファーズ作、アーサー・ビナード訳、福音館書店 2001年  (2020/8/27)

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