ぼく(りゅうのすけ)、かあちゃん 、とうちゃん、おじいちゃん、おばあちゃん、3世代同居の家族のはなしです。
元気印のかあちゃんとダイナミックな絵。
文と絵がぴったりです。
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「かあちゃん。かいじゅうの えいが つれてって。」
「おしごと いそがしいから だめ。」
とうちゃんに頼むと、
「これから、いい ところに おでかけや。かあちゃんに おがんで おがんで おがみたおせ。」
(財布の中身を確認しているとうちゃんが絵に描かれています)
(おそらくギャンブルに行こうとしているんでしょうね。)
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おじいちゃん
おばあちゃんは
ぼく(りゅうのすけ)に味方してくれるけど、
かあちゃんは、
「だめです。あまやかしたら くせに なります。」と言って、
ぜんぜん きいてくれません。
「かいじゅうだー」とかあちゃんをおどかす ぼく。
かあちゃんは、笑い転げる。
「りゅうのすけ、そんなに いきたいの?」
「うん」
「じゃ、あした いこ。」
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映画に行く、その日の朝、
怪獣のまねをする かあちゃん。
「うわーっ。」
と、ぼくをおどかす。
「かいじゅうって おもしろいな」
と、かあちゃんは笑い転げた。
最後のページは?
家族みんなで、映画館の前にいます。
ストーリーはシンプルです。怪獣映画に行きたいぼく。絶対ダメというかあちゃん。無責任なとうちゃん、ぼくに味方してくれるおじいちゃんとおばあちゃん。映画に行くことをめぐる、3世代家族のひと騒動です。都会では、いまどきこのような家族はすくないでしょう。また、「怪獣映画」や絵の雰囲気から「昭和」を感じます。ゴジラ、ラドン、モスラの映画を見ていた頃が懐かしい。
長谷川義史さんのダイナミックな絵は「かあちゃん」の人物像にぴったりでした。
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※『かあちゃん かいじゅう』内田麟太郎作、長谷川義史絵、ひかりのくに 2003年 (2021/3/21)