いちごができるまでを 会話形式で語る絵本です。
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いちごが 語ります。
「わたしは いちごです」
「わたしも いちごです」
雪に埋もれた いちごの苗。
いちごは 思います。
「はやく あたたかく ならないかな」
「あたたかく なったよ。いちごはまだ?」
「まだ まだ まっていてね」
花が咲き、
ちいさな実が なりました。
「あ、ちいさな いちごが なった」
「いまに おおきくなりますよ」
でも、まだ すっぱい いちごです。
「いちご、あまくなったかな?」
「もうちょっとです。あしたは、もっと あかく もっと あまくなりましょう」
「はい おまちどうさま。」
「さあ どうぞ」
「さあ どうぞ」
「おいしそうな いちご、どうも ありがとう」
おんなのこが
「いただきます」
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いちごが人物となって語ります。女の子と対話する、ユニークないちごの絵本です。また、真っ赤に色づくまでが、リアルで丁寧な絵で表現されています。美味しそうないちご。いちごを食べたいという衝動や行動まで読者におこさせることでしょう。
平山和子さんの『くだもの』や『やさい』の絵本も素敵な絵本です。
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※『いちご』 平山和子作、福音館書店 1989年 (2022/10/7)