
作者は、長年、静岡市で家庭文庫を主宰されている児童文学者の草谷桂子さん。絵は『ぼくだけのこと』を描いたスギヤマカナヨさん。図書館のことをカルタ形式で伝えます。図書館はたのしい所、すてきな所という著者たちの熱い思いがつたわります。
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カルタの第一番、あいうえおの「あ」はなんでしょうか?
あいうえ
あそぼう
としょかんで
では、「い」は?
いつでも
だれでも
だいかんげい
カルタ形式で図書館のことを紹介します。
とくに素敵なところを書いてみます。
さがしたことや
かりたほん
どんなひみつも
まもられる
「ただですよ」
ほんをよむのも
かりるのも
「なにをよむ?」
「なにもよまない」
あなたのじゆう

「ようこそ!」と
いつでもきみを
まってるよ
ところで、「ん」はどこにあるのでしょうか? 少し気になりました。
ありました。裏表紙にありました。
うんめいの
であいがあるかも
としょかんで!
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巻末に「図書館のことをもっと知りたいあなたへ」の解説があります。「分類・ラベル」「プライバシー・守秘義務」「ブックトーク・ビブリオバトル・読書会」「無料の原則」「図書館の自由」「居場所」などについて説明しています。「図書館には、「どんなことでも知ることができる権利」を守るために、いろいろな考えや立場の本がいれてあります。ですから、だれもが、さまざまな考えを知ることができます。」(「図書館の自由」の解説)
公共図書館:だれでも自由に入ることができます
PUBLIC LIBRARY : ALL ARE WELCOME.
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※『 あいうえあそぼう としょかんで 』 草谷桂子作、スギヤマカナヨ絵、子どもの未来社 2019年
【 追 記 】
『わたしのとくべつな場所』(パトリシア・C・マキサック文、ジェリー・ピンクニー絵、藤原宏之訳、新日本出版社、2010年)という絵本を紹介したことがありました。1950年代のテネシー州ナッシュビルが舞台です。黒人の少女パトリシアが図書館に出かけますが、途中、様々な黒人差別に出会います。図書館に着いた彼女は、正面の大理石に刻まれた文に目を奪われます。それが上の英文でした。 (2022/9/14)