ちいさなカーラは、
町で迷子になってしまいました。
声をかけてくれたのは、目の不自由な マチアス。
ふたりは、カーラの両親をさがしに、市場までいってみました。
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その途中、カーラは、マチアスにたずねます。
「 どうして 目が よく 見えないの ? 」
聞いてしまってから、
「 こんなことを 聞いたら、いけない かしら ? 」と カーラ。
「 もちろん、かまわないよ。ぼくは 生まれたときから、目が不自由なんだ。」
「 じゃあ、こまることが、たくさんあるでしょ 」。
( 率直な言い方ですが、ふたりの会話はとても自然です。 )
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マチアスは、
耳で、音を聞いたり、
映画を、声で理解したり、、
スキーをしたりすることを話します。
また、うで時計の針に、指でふれて、時刻を見ます。
そして、
インターネット カフェへ。
そこで、目の不自由な人のための パソコンで、交番をさがしてあげるのです。
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「 昼と夜は、どうやって わかるの ? 」
「 耳で聞いたり、体で感じるから、わかるんだ 」
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交番についた ふたり。
カーラと マチアスと おまわりさんは、
地下鉄にのって、カーラの家へ。
心配していた両親と再会です。
カーラは、
目の不自由なマチアスさんと 盲導犬のシンディと、
どのようにして、家に帰ってきたのかを、話してあげようとしています。
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見ることは、とても たいせつな ことですが、
聞いて みる
嗅いで みる
触れて みる
味わって みる
体で 感じたりすることもあります。
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カーラ と マチアスの 人物 と 会話が、
とても 魅力的です。
すなおで偏見のない カーラ。
前むきに生きている マチアス。
ユーモアのある マチアス。
障がいをもっている人に、カーラのように、自然に、ふつうに対応をしているのか、
また、障がいをもつ人たちに、やさしい社会なのかどうか考えさせられます。
マチアスは、こういっています。
「 だれでも ぜんぶ 見えている わけじゃないんだよ。」
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※ 「 見えなくても だいじょうぶ?」 ファイニク作、 バルハウス絵、 ささきたづこ訳、 あかね書房 2005年発行
【 追 記 】
マチアスは、視覚障害者であることを知らせる 黄色い腕章をしています。 ドイツやオーストリアでは腕章をつけることを、この絵本ではじめて知りました。読んであげるなら、6歳児頃から。