
まど・みちおさんの詩「ぼくがここに」です。まどさんの哲学が語られています。
ぼくが ここに いるとき
ほかの どんなものも
ぼくに かさなって
ここに いることは できない
(第一連)
つづけて
ゾウが いるならば そのゾウだけ
マメが いるならば そのマメだけ
しか ここに いることは できない
どんなものが
どんなところに いるときにも
それは まもられているのだ
と、詩人は つづけます
その「いること」こそが
なににも まして
すばらしいこと として
まどさんに「リンゴ」という詩があります。
一連・二連は、「リンゴを ひとつ / ここに おくと / リンゴの / この 大きさは / この リンゴだけで / いっぱいだ」です。
「リンゴ」の詩と同じように、「ぼく」が、ここにいるとき、「ぼく」だけでいっぱいなのです。ほかのどんなものも「ぼく」の場所を占めることができません。二連の「ゾウ」「マメ」も同じです。大きさ、動物・植物は関係がありません。「どんなものが どんなところに / いるときにも」です。

この地球に「いること」自体がすばらしいことです。存在すること自体の価値を語るまどさんの詩ですが、、この詩は、同時に、わたしたちにやさしい眼差しを注いでいます。わたしたちは、だれであっても、分け隔てなく「まもられている」、肯定されている、という意味で。
きたむらさとしさんは、「いること」がすばらしいものたちを、わたしたちだけでなく、たくさん描いています。草花、昆虫、動物(ほ乳類、魚類、は虫類、鳥類)、海、森、地球、宇宙です。
巻末に、「ぼくがここに」の原詩が載せられています。
※『ぼくがここに』 まど・みちお詩、きたむらさとし絵、理論社 2024年 (2026/1/26)









