ふるはしかずおの絵本ブログ3

『大雪』- あらしの木に助けられるフルリーナ 

音もなく 大雪が つもります。

けものたちは ぶるぶるふるえ

いこいの 場所を さがします。

   

 雪のなか

 あらしの 木だけが しっかりと立ち

 枝を はりだし ちいさな おうちを つくっています

 あらしの 木とは 大雪や嵐をよけて にげこむ大きな木です

 

   

あしたは

子どものそり大会です。

ウルスリは そりを きれいにしています

妹のフルリーナに ふもとの 店で

そりを 飾るため

毛糸のふさを 手にいれるように たのみました

    

 

 「道はとおいわ。見て、雪ふりなのよ

    

 「雪なんか やんでしまうよ

  さあ、ひとっぱしり しておいて!」

      

     

フルリーナは おばあさんの家を きれいにして

毛糸のふさを もらいますが、    

帰り道

風が ふき

ごーごー、めりめりと 音をたて 夜になりました

   

   

ウルスリは 心配になって

いもうとを むかえに いきます

大雪が くずれ

ざわざわ ごうごう、ものすごい響き

なだれが おちます

    

     

 どうしよう、どうしょう!

  

フルリーナを 村へ やるんじゃなかった

   

    

ウルスリは

毛糸のふさを 見つけ ぎょっと しました

その糸を つかんでいくと・・・

フルリーナの声が しました

  

ウルスリは、小さな手を つかみました

あらしの木の下に フルリーナが いました

    

 「たすかったのは、この木のおかげよ

 そのうち あたらしい木を植えましょう」

    

ウルスリは、シカの角の形をした あらしの木を もって かえります

  

   

そりの行列が はじまりました

ウルスリと フルリーナの そりには 

シカの角のような、あらしの木が つけられています

毛糸の ふさかざりも ついた

いちばんみごとな そりでした

    

   

ふたりは わかいあらしの木を うえました

   

            

アルプスの小さな村に住む、ウルスリとフルリーナ。雪が降るなか、ウルスリは、子どもそり大会のために、毛糸のふさをもらいに、いもうとを麓まで行かせます。帰り道、フルリーナは、なだれにあい、あらしの木の下にいます。毛糸のふさをみつけたウルスリは、フルリーナを救助できましたが、いもうとを行かせたことを深く反省したことでしょう。

      

ウルスリとフルリーナの兄妹が主人公ですが、あらしの木がおおきな存在感を持っています。冬には、けものたちにも役立っているあらしの木です。絵本の注によるともみの木が多いようです。

     

            ・・・

※『大雪』 セリーナ・ヘンツ文、アイロス・カリジェ絵、生野幸吉約、岩波書店 2018年  (2025/11/25)

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