ふるはしかずおの絵本ブログ3

『きょうは そらに まるいつき』- やさしい月のひかりがふりそそぐ

月のやさしいひかりに照らされた、満たされた世界です。

      

    

まるいつき

みんなの うえで 輝いています

みんなが そらを みています。

  

   

夕暮れの 公園

乳母車の あかちゃんが そらを みています

満月が 空に のぼってきます

  

    
バレエの 練習から 帰る おんなのこ

バスの  なかから まるいつきを みています

  

   

とおい とおい 山のなかで

くまのおやこが まるいつきを みています

   

      

うんどうぐつを 買った おとこのこ

バスの なかから まるいつきを みています

  

  

公園に ねこたちが たくさん あつまってきました

   

 

洋服店の おやこが 仕事がおわって

カーテンを しめます

そらに まるい つき

 

 

あかちゃんが 

そらを みて います

そらを みて わらっています

 

   

 みんなの  夜に

 それぞれの 夜に

 ごほうびのような おつきさま

 

   

ギターの 音が きこえます

とおい 海で  くじらが おおきく はねました

おじいちゃんが 食器を あらっています

おばあさんが  お皿や コップを かたづけます

 

   

あかちゃんが そらを みています

きょうは そらに まるい つき

     

  

みんなが そらを みています

   

 きょうは そらに まるい つき

 ごほうびのような おつきさま

       

          ・・・

ベビーカーのあかちゃんの上に まるい月がでています。

バレエの練習から帰るおんなのこの上にも、くまの親子、運動靴を買ってバスで帰るおとこのこ、店のカーテンをしめる母娘、ギターの練習をしている人、夕食の片づけをするおじいさんとおばあさんの上にも、遠い海のくじらの上にも、まるい月がでています。それは、「ごほうびのような つき」です。

      

まるい月が照らしている公園は、お祭のようです。

月の光が、祭りの夜に、平和な夜に、みんなにやさしくふりそそいでいます。作者は、「まるいつき」を通して、希望をかたっています。このような世界を見たい作者がいます。

     

       ・・・

※『きょうは そらに まるいつき』 荒井良二 偕成社 2016年  (2025/11/19)

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